「バリア・オプション」 “Barrier Option”
ノックアウト・オプションに加えノックイン・オプション(イン行使レートに達すると初めて権利が発生するタイプ)を総称する場合に用いられる用語である。
「非危険利子率」 “Risk-Free Interest Rate”
オプション価格を算出する際に使用される五つパラメーター(変数)の一つ。価格算出モデル内で、原資産を安全に一定期間運用して、償還される金額の計算をするのに用いられる。
通貨オプションの場合は、原資産である2通貨間の金利差が用いられる。通常、先物為替レートに織り込まれている金利を逆算して求める。
「プット・コール・パリティ(均衡)」 “Put-Call Parity”
プットオプションの価格と、コールオプションの価格間に成り立つ、一定の裁定関係のことであるが、行使日が一致するヨーロピアン・オプションにのみに生じ、アメリカン・オプションにはあてはまら無い。
「ブラック-ショールズ・モデル」 “Black-Sholes Model”
オプション価格算出モデルの代表的なもので、考案した二人の人物の名前が冠されている。
1973年に発表されて以来、金融界においてオプション取引が急拡大するのに大きく寄与した。市場で比較的容易に観察、推測できる五つのパラメーター(変数)からなるモデルのため、実務上非常に有用であることで一般化したと思われる。
オプションといえばこのモデルが連想されるほど一般化しているが、満期日にしか行使できない、すなわちヨーロピアン・オプションしか評価できず、アメリカンオプションの価格算出には用いられていない。
「べガ(ボラティリティ感応度)」 “Vega”
原資産のボラティリティの小さい変化に関するオプションの公正価値の変化の事。
「本質的価値」 “Intrinsic Value”
オプションが有する価値のひとつで、現時点で確定的に持つ利益分の事。
オプションの価格であるプレミアム(オプション代金)は、(1)現時点での確定的利益と、(2)今後期待できる利益が増大する可能性の価値の二つの要素か ら成りる。前者が「本源的価値」(イントリンジック・バリュー)、後者が「時間的価値」(タイム・バリュー)である。本源的価値が確定利益でなく確定的価 値とした理由は、為替相場の変動により本源的価値もまた変化するからで、確定するのはあくまで行使した瞬間です。 本源的価値はゼロ未満にはなりません。なぜなら、行使価格が市場価値より不利な場合はオプションの保有者は権利行使しないからである。(万一権利行使する と損失がでる。)
「ボラティリティ(変動率)」 “Volatility”
為替レートの変動率の事で、過去のレートの変化をもとに統計 的に算出される「ヒストリカル・ボラティリティ」と、市場参加者が予想する「インプライド・ボラティリティ」がある。通常、通貨オプション取引の際に参照 されるのは後者だが、もちろん過去の変動率の大小は予想の根拠のひとつになる。 他には貿易収支のような重要な経済指標が大きく変化したり、政情不安がおきたりするとボラティリティは大きくなることが多い。ひとつ注意すべきは、変動率 が高い、というのは決して為替レートが特定の方向にに向かいやすいということを意味しないことです。通常、通貨オプションの価格決定モデルは上下どちらの 方向にも同じ程度の確率で変動することを前提とし、特定の方向の相場感は一切考慮に入っていません。
ボラティリティとは統計学でいう「標準偏差」のことで、データの散らばり具合をあらわす指標である。ヒストリカル・ボラティリティは 一連のヒストリカル価格、あるいは経過期間のレートの変化率の年率標準偏差です。将来のボラティリティの判断は、ヒストリカル・データを使うことでできま す。オプション・マーケットは、オプション価格に内在する将来のボラティリティの判断を提供します。